
今年の新入社員の傾向は
1. 皆さんのタイプは…。
「今年の新入社員はどんなタイプ?」
毎年4月から5月にかけてこんな会話が飛び交う。
生活様式にあわせて人類は変化しているに違いないが、1年毎に大きな特徴が現れるとは思えない。10年を一つの単位で計るなら別の話だが…。 とは言え、毎年、世相を反映させながら、絶妙の切れ味で新社会人にニックネームをつけていた人がいる。現代コミュニケーションセンター所長の坂川氏である。その年の世相を反映させ、上手に表現している。しかし、残念なことに、氏は「生態がつかみにくくなった」という理由で平成14年でネーミングを止めてしまった。社会経済生産性本部がネーミングを引き継いだ。下記の一覧がネーミングリストである。ご自分の就職した年は?
昭和48年【パンダ型】
おとなしく可愛いが、人になつかず世話が大変。
昭和49年【ムーミン型】
人畜無害でおとなしいが、大人か子供か得たい知れず。
昭和50年【かもめのジョナサン型】
群から外れやすく、上空からしらけた眼で見ている。一方でめざとい。
昭和51年【たいやきクン型】
頭から尾まで過保護のあんこがギッシリ。
昭和52年【人工芝型】
見た目はきれいで根が生えず、夜のネオンでよみがえる。
昭和53年【カラオケ型】
伴奏ばかりで他と音程合わず。不景気な歌に素直。
昭和54年【お子様ランチ型】
何でもそろって綺麗だが、幼さ抜けず歯ごたえなし。
昭和55年【コインロッカー型】
こじんまりと画一的で、外見も反応もすべて同じ。
昭和56年【漢方薬型】
煎じ方悪ければ、効き目なく副作用生じる。
昭和57年【瞬間湯沸し器型 】
新式と旧式の二種類存在し、反応・熱意が正反対。
昭和58年【麻雀牌型 】
大きさと形同じで並べやすいが、中身はわからず。
昭和59年【コピー食品型 】
外見のみ本物風で手間いらずだが、歯ごたえなく栄養も心配。
昭和60年【使い捨てカイロ型】
もまないと熱くならず、扱い方もむずかしい。
昭和61年【日替わり定食型】
期待した割には変わりばえせず、同じ材料の繰り返し。
昭和62年【テレホンカード型】
一定方向に入れないと作動しないし、仕事が終わるとうるさい。
昭和63年【養殖ハマチ型】
過保護で栄養分高いが、魚らしくピチピチしてない。
平成元年【液晶テレビ型】
反応早いが、値段高く色不鮮明。改良次第で可能性大。
平成2年【タイヤチェーン型 】
装着大変だが、装着の具合次第で安全・駆動力OK。
平成3年【お仕立て券つきワイシャツ型】
価格高く仕立てに時間かかり、生地によっては困難。
平成4年【バーコード型】
読み取り機(上司)次第で、迅速・正確・詳細な処理可能。
平成5年【もつ鍋型】
一見得たい知れずで厄介だが、煮ても焼いても食えそう。
平成6年【浄水器型 】
取り付け不十分だと臭くまずいが、うまくいけば必需品。
平成7年【四コママンガ型】
理解に時間がかからず、傑作もある一方で、市場にあふれているので、安く調達できる。
平成8年【床暖房型】
断熱材(評価)いれないと熱(ヤル気)が床下(社外)に逃げる。
平成9年【ボディシャンプー型】
泡立ち(適応性)良く、香り(個性)楽しめるが、肌(会社体質)に合わないこともある。石鹸(従来社員)以外に肌を慣らすことも必要。
平成10年【再生紙型】
無理な漂白(社風押しつけ)はダイオキシン出るが、脱墨技術(育成法)の向上次第で新タイプの紙(新入社員)として大いに市場価値あり。
平成11年【形態安定シャツ型】
防縮性、耐磨耗性の生地(新人)多く、ソフト仕上げで、丸洗い(厳しい研修・指導)OK。但し型くずれ防止アイロン(注意・指導)必要。
平成12年【栄養補助食品型 】
ビタミンやミネラル(語学力やパソコン活用能力)を豊富に含み、企業の体力増強に役立ちそうだが、直射日光(叱責)に弱く、賞味期限(試用期限)内に効果(ヤル気)薄れることあり。
平成13年【キシリトールガム型】
種類は豊富、価格も手ごろ。清潔イメージで虫歯(不祥事)予防に効果ありそうで、味は大差ない。
平成14年【抱きつき枕型】
厳しい経営環境でよどんだ職場の空気に対し、吸湿性・防湿性に優れ、通気性がある(気持ちが通い合う)。頭(会社の理屈)をこすり付けたり、足(雑事)を押し付けても、クッション性がある。気安く扱うとベッドから落ちたり(早期退職)、変形しやすい。クッション性あり、等身大に近いので気分いいが、上司・先輩が気ままに扱いすぎると、床に落ちたり(早期退職)、変形しやすいので、素材(新人の質)によっては、いろいろなメンテナンスが必要となる。
平成15年【カメラ付き携帯型】
その場で瞬時に情報を取り込み発信するセンスや処理能力を持ち、機能も豊富だが、経験や知識がなかなか蓄積されない。また、中高年者にとって使いこなしきれない側面もある。
平成16年【ネットオークション型】
ネット上で取引が始まり、良いものには人気が殺到しさっさと売れる一方で、PR不足による売れ残りも多数。一方で、ブランド名やアピールに釣られて高値で落札したものの、入手後にアテが外れることもある。
平成17年【発光ダイオード型】
電流を通す(=ちゃんと指導する)と、きれいに光る(=良い仕事をする)が、決して熱くはならない(=冷めている)。
発光ダイオードはいくら光を放っても、熱を出さない。
平成18年【ブログ型】
「表面は従順だが、さまざまな思いを内に秘め、時にインターネット上の日記を通じ大胆に自己主張をする。繊細な感受性とブログ的なネットワークに優れるが、パソコンに語るだけに止まる傾向もある。」
さびしがりやで繋がりたがったり、自分を認めてもらいたい強い欲求を持つ。認められると思いもかけない力を発揮することもある一方で、本人の気分や他人の評価ひとつで、すぐに萎えてしまう傾向もある。暖かい眼差しと共感が育成の鍵である。
平成19年【デイトレーダー型】
景気の回復で久々の大量採用だったが、氷河期前とは異なり、細かい損得勘定で銘柄(会社)の物色を継続し、安定株主になりにくい。売り手市場だっただけに、早期転職が予想される。ネットを駆使した横のつながりで情報交換が活発だが、情報に踊らされない慎重さも必要である。
近年の新入社員は常によい待遇、よい仕事を求めて「銘柄の乗り換え」つまり「転職」をもくろむ傾向がある。
平成20年【カーリング型】
冬期オリンピックでおなじみになったカーリング、新入社員は磨けば光るとばかりに、育成の方向を定め、そっと背中を押し、ブラシでこすりつつ、周りは働きやすい環境作りに腐心する。しかし、少しでもブラシでこするのをやめると、減速したり、止まってしまったりしかねない。
また、売り手市場入社組だけに会社への帰属意識は低めで、磨きすぎると目標地点を越えてしまったり、はみだしてしまったりということもあるだろう。就職は楽勝だったかもしれないが、サブプライムローンの問題等の影響により経済の先行きは一気に不透明になった。これからも波乱万丈の試合展開が予想され、安心してはいられない。自分の将来は自分の努力で切り開いていくという、本人の意志(石)が大事になろう。
平成21年【エコバック型】
今年の新入社員は、環境問題(エコ)に関心が強く、節約志向(エコ)で無駄を嫌う傾向があり、折り目正しい。
小さくたためて便利だが、使うときには大きく広げる(育成する)必要がある。
酷使すると長持ちしない(早期離職)が、意外に耐久性に優れた面もあり、活用次第で有用となるだろう。早く消費を上向かせ、エコバッグを活用する機会を増やしたいものである。
前年に続く売り手市場の中、就職活動がスタートしたが、昨年秋の金融危機をきっかけとする不況で、売り手市場から立場は逆転し、内定取消が社会問題になるなど、買い手市場に変換した。
連日のマスコミによる派遣ギリ、内定取消、百年に一度の大不況などの報道の中、無事に新入社員として採用されたことに対する感謝の念は例年より高い。
平成22年【ETC型】
性急に関係を築こうとすると直前まで心の「バー」が開かないので、スピードの出し過ぎにご用心。IT活用には長けているが、人との直接的な対話がなくなるのが心配。理解していけば、スマートさなど良い点も段々見えてくるだろう。“ゆとり”ある心を持って、上手に接したいもの。
厳しい就職戦線をくぐり抜けてきた今年の新入社員は、携帯電話などIT活用にも長けており、情報交換も積極的。時間の使い方も効率的で物事をスムーズに進めるようなスマートさもある。また、CO2の排出量削減など環境問題への関心も高い。 ただ、ドライバーと徴収員との対話がなくなったように、効率性を重視するあまり人との直接的なコミュニケーションが不足する場面も。 打ち解けて心を開くまで時間が掛かるため、性急に関係を築こうとすると直前まで心のバーが開かないので、上司や先輩はスピードの出し過ぎにご用心。理解しようとすれば、仕事のスマートさやIT活用の器用さなどメリットも見えてくるので、会社は、ゆとりをもって接し、永く活躍できるよううまく育ててほしい。
平成23年【はやぶさ型】
※発表予定だったネーミング 東日本大震災により発表は自粛
宇宙探査機「はやぶさ」が7年にもおよぶ長旅から帰還したことが多くの人に感動を与えた。 最初は音信不通になったり、制御不能になったりでハラハラさせられるが、長い目で見れば期待した成果をあげることができるだろう。 あきらめずに根気よくシグナルを送り続けることが肝心だ。
平成24年【奇跡の一本松型】
●困難な就職活動の中での「頑張り」
大卒予定者の就職内定率が過去3 番目に低い(80.5%)という厳しい状況のなか、就職戦線を乗り越えてきた若者たちの頑張りを賞賛したい。
●若者たちの就業観が垣間見えた~ボランティア活動を通じて多くの若者たちが復興へのボランティア活動などを通じて、他人の気持ちに寄り添うことや、人間関係の「絆」の大切さを認識し、チームや組織としての互助的な協力関係を築くことの大切さを実感したようだ。一般的な見解と異なり、昨今の若者には潜在的に他者への触れ合いや協同を通じ
て社会の役に立っていきたいという気持ちがあることがわかる。
●若者たちはこれからの時代の「変化」の原動力
就職氷河期以降、若者たちは既存の会社のありようにいかに自分を合わせるかということに汲々としているようにみえる。しかし既存のものだけではなく「想定外」の事態に遭遇することも今回の大震災の経験から学んだ。柔軟な発想や新しい価値観を取り入れ、社会や企業の中で「変化」という風を吹かせる原動力となって欲しい。
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