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【人事担当者向け】新入社員研修カリキュラムの作り方

新入社員研修

新入社員研修を組む時にネックになるのがカリキュラムだ。「新入社員に何を伝えたらいいか」「あれもやりたい、これもやりたいと考えるが、限られた時間の中で優先順位が難しい」「他社のカリキュラムが気になる」「カリキュラムの見直しは必要か」など、研修担当者から相談を受けることも多い。本記事では、新入社員研修カリキュラムの設計における基本的な考え方と、重要ポイントについて解説する。既に新入社員研修を実施している企業の研修担当者も、「自社のカリキュラム作成のやり方」と照らし合わせ、改善点はないかをチェックしながら読み進めていただきたい。

 

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1.新入社員研修実施までの流れ

 

新入社員研修を実施する際には、多くの工程がある。事前に十分な準備を行うことで、研修を円滑に進めることができる。

 

1)目的の設定

新入社員研修の目的を明確にする。ゴール設定をすることにより、研修の内容やカリキュラムの作成についての方向性が定まり、研修効果が高まる。

 

2)研修カリキュラムの作成

新入社員研修の目的に沿った研修カリキュラムを作成する。具体的な作成方法は次の章で詳しく述べているので、参考にしていただきたい。

 

3)講師の手配
内製化で行う場合は、社内での適切な人材に依頼する。外部委託する場合は、研修会社や講師に依頼する。 内製化、外部委託、どちらの場合も手配は早目が良い。目安としては、研修実施の半年前には決めておきたい。

 

4)研修会場の準備
実施内容や参加人数に合わせて会議室などの会場を予約する。必要な設備や備品の準備も合わせて行う。 研修会場の準備も、早目が良い。特に合宿研修でホテルを利用する場合は、早くおさえておきたい。

 

5)新入社員への告知
新入社員へ研修の日程や会場、服装、持ち物などの情報を案内する。

 

6)新入社員研修の実施
担当者は研修を見学して、進捗状況の確認、受講生のフォロー、現場へのフィードバックを行うと良い。 

 

7)研修後のフォロー
講師からのフィードバックをもとに、新入社員の今後のフォロー計画を立てる。配属先の現場リーダーと連携することで、継続的なフォローアップができる。

 

 

2.新入社員研修カリキュラム作成の手順

 

 ★ 方向性の確認と現状把握

1)ヒアリングを行う

◆ 経営者へのヒアリング

新入社員研修のカリキュラムを考える際には、経営者へのヒアリングが重要だ。このプロセスは、企業規模の大小に関係なく、全ての企業において必要とされる。なぜなら、経営者が抱く「どのような人材に成長してほしいか」というビジョンを研修に反映させることで、研修が企業の中長期的な戦略と調和したものとなるからである。また、経営トップが重視する価値観や行動基準を理解しておくことは、人事部や研修担当者としては必須の役割であろう。

 

◆ 各セクションのリーダーへのヒアリング

新入社員研修のカリキュラムを作成する際、現場で直接指導を行う各セクションのリーダーからの意見を取り入れるとなお良い。

 

現場のリーダーは業務内容や部門特有の課題、スキルについて最も深く理解しているため、彼らの意見は研修内容を実践的なものにする上で大きな役割を果たす。例えば、新入社員に求める現場の意見として、「時間感覚をもっとしっかりと身につけて欲しい」や「昨今は受け身の姿勢の新入社員が多くて困っている」などの具体的な課題を聞き出し、研修に反映させることも大切である。こうした具体性は、研修が机上の空論に終わることを防ぎ、新入社員が現場でスムーズに活躍するための基盤を作る。

 

さらに、リーダーへのヒアリングは、研修に対する現場の理解と協力を得るためにも効果的である。研修と現場の一貫性が生まれ、新入社員の成長をより効果的に促進することができる。

 

◆ 社員へのヒアリング

また、先輩社員が新入社員の時に感じた「こういうカリキュラムがあれば良かった」や「入社後にスムーズに適応するために必要な要素」を反映させることで、研修カリキュラムが新入社員にとって、必要不可欠な内容となる。さらに、社員の声を反映することで、職場全体で新人をサポートする体制が整いやすくなる。

 

2)ヒアリング内容を言語化する

ヒアリングした内容は、抽象的な表現を避け、誰でも理解できる具体的な言葉で表現することが大切だ。ヒアリングの内容を上手に言語化することができれば、そのままカリキュラムに反映できる。また、各担当者の意見は、企業の方針に沿った一貫した内容に整えることが必要である。

 

3)研修の目的を明確にする

新入社員研修のカリキュラム作成において「目的を明確にする」ことは、研修の効果を高めるための重要なステップである。目的を明確にすることで、研修の内容や進行方法を的確に決定できる。目的は、企業の方針や新入社員が研修後に達成すべき具体的な成果に基づくと良い。たとえば、「ビジネスマナーの基本的なスキルの習得」や「仕事に対する意識と理解」など、目指すべきゴールを設定する。

 

4)優先順位をつける

カリキュラムの概案が出来たら優先順位をつける。研修の目的に最も関連する内容を優先的に取り上げ、ビジネスマナーの基本的なスキルや企業文化の理解など、早い段階で習得すべき要素に焦点を当てると良い。次に、業務に直結する知識や技術、後回しにできる内容については、研修後のフォローアップや実務の中で学ばせることも視野に入れる。優先順位をつけることで、カリキュラムの組み立てがスムーズになる。加えて、受講生が効果的に習得できるようになる。

 

5)研修の目標を立てる

ここで言う研修の目標とは、新入社員が「どれくらいのスキル」を「いつまでに」という、到達度の品質と期限のことだ。研修の目標は、具体的で測定可能なものが良い。例えば、「電話応対がスムーズにできるようになる」や「企業の価値観を理解し、チーム内でのコミュニケーションを円滑にする」など、具体的なスキルとその達成基準を明確にすることが重要である。「スキル」と「期限」の目標を設定することで、研修の場だけではなく、現場に配属されてからもOJTとして研修が機能するようになる。また、各セクションのリーダーも指導がしやすくなり、新入社員の育成の質が全体的に引き上げられることになる。

 

6)外部委託と内製化を決める

新入社員研修のカリキュラムの1つであるビジネスマナーのスキル習得は、外部委託が好ましい。理由は、ビジネスマナーは個人の印象面に触れる部分となり、外部講師の方が客観的な視点で指導できる。また、新入社員にとっても外部講師の方が素直に受け入れ易い。挨拶や礼儀といった、既にわかっているような内容を「なるほど」と思わせながら教えるのは、難易度が高く、社内の人間では難しい側面がある。また、専門性の高い分野や業界共通のスキルを身につけるためにも外部委託は有効である。一方、内製化は、企業文化や、特定の業務プロセスに必要なスキルを深めるために適している。自社の方針や価値観に基づいた具体的な事例を使って研修を行うことで、社員が企業に対する理解を深め、実務に直結するスキルを習得できるからだ。内製化によって、研修がより実践的で自社に即した内容になるため、社員の定着率や業務のパフォーマンス向上にも繋がる。

 

7)日程調整とスケジュール

新入社員研修は3月~4月の実施が多い。全国的に日程が集中するので、場合によっては講師を確保できない場合もある。外部委託する場合は早めに依頼した方がいい。せめて半年前には決めておきたい。また、研修会場をおさえておくことも、早めにしておきたい。

 

3.新入社員研修で扱いたいテーマ

 

 会社の理念とビジョン

 自社の経営理念、企業文化、事業戦略についての理解を深める

 

 コンプライアンス

 法令遵守の重要性、職場でのルールやハラスメント防止に関する知識

 

 情報セキュリティ

 パスワード管理や個人情報保護、情報漏洩のリスクと対策。

 

 ビジネスマナーの習得

 挨拶や名刺交換、電話対応、敬語の使い方など基本的なマナー。

 

 チームワークとコミュニケーション

 チームワークの重要性と円滑なコミュニケーションスキルの習得

 

 時間管理と優先順位

 スケジュール管理、タスクの優先順位付け、締め切りを守る重要性。

 

 組織とは何か

 組織の意思決定、上司の役割、上司との関係性

 

 仕事の受け方・進め方

 作業と仕事の違い、指示の受け方、報連相、確認・メモの重要性

 

 

4.新入社員研修スケジュールを立てる時のポイント 

 

1)全て内製化で行う場合

自社や業界についてのレクチャーを先に行い、その後、ビジネスマナー等の内容に入った方がスムーズな流れとなる。仕事のイメージを描けるようになるため、スキルが身に付きやすくなる。

 

2)内製化と外部委託の両方で行う場合

新入社員研修を外部委託する場合は、順番は全て内製化で行う場合の逆の方が良い。先にビジネスマナーの部分を行う。なぜなら研修のプロが行うため、新入社員としての立ち振る舞いがしっかりと出来るようになるからだ。その後の内製化研修においても、話を聴く態度が真剣になるため、良いムードで内製化研修が進むことになる。

外部委託の場合は、入社式の前に新入社員研修を実施する会社が多いことも頭に入れておくと良いだろう。この方法にすると、4月1日の入社式から元気な新入社員が入社してくることになり、社内活性化に多いに貢献する。

 

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5.新入社員研修カリキュラムの例 

 

新入社員研修(1日研修を外部講師に委託した場合のカリキュラム例)

※外部研修に依頼する際は、ビジネスマナーを重点項目として取り上げるのが望ましい。単なる知識の習得にとどまらず、ロールプレイングを含む内容は効果が高いが、自社で実施するには難易度が高い。一方、自社内で行う場合は、座学で対応可能なテーマを選ぶのが適している。

 

時間 内容 担当
9:00~9:30 オリエンテーション 研修担当
9:30~10:30 礼儀と人間関係について 外部講師
10:40~12:00 相手に良い印象を与える 外部講師
(12:00~13:00) 昼休み
13:00~14:00 電話応対 外部講師
14:00~15:00 名刺交換 外部講師
15:20~16:30 仕事の受け方 外部講師
16:30~17:00 レポート作成 外部講師

 

 

新入社員研修(社内で行う場合のカリキュラム例)

 

時間 内容 担当
9:00~9:30 オリエンテーション 研修担当
9:30~11:00 会社の理念とビジョン 役員
11:00~12:00 コンプライアンス 社内担当者
(12:00~13:00) 昼休み
13:00~14:00 情報セキュリティ 社内担当者
14:20~16:00 各部署の業務と役割 社内担当者
16:10~17:00 レポート作成 社内担当者 

 

6.まとめ

 

「新入社員にとって、新入社員研修は一生に一度の経験である」ことを念頭に置き、企業はその重要性を十分に認識すると良い。社会人としての基本的なマナーや業務の基礎を学ぶ場であり、企業文化や価値観を理解する機会でもある。また、仕事における心構えや、将来へのビジョンなど、心に残る研修を提供したいものである。適切なプログラムとサポート体制を整えることで、社員の初期段階の不安を軽減し、スムーズなスタートを切ることができる。

 

 

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