
本部と現場の温度差【社員教育相談室】
- この差が縮むと前に進みやすくなる-
1. 職場の温度差
職場やチームで、仕事が上手く回らない時になんとなく感じるのがこの「温度差」です。温度差というのはそのプロジェクトにかける熱量の違いです。これは職場でも、地域のコミュニティでも、学生のイベントでも、複数人で何かを達成しようとする時に、必ずといっていいくらい、温度差がネックになります。
2. 笛吹けど踊らず
「社内の温度差」についてIT企業の統括部長さんから相談を受けたお話です。
「本部で企画をしても現場が消極的です。やらないとか反発するというわけではないのですが、いまひとつ積極的に取り組んでくれません。先日も技術力アップの勉強会を開いたのですが、自由参加にしたのがいけなかったのか、集まったのはほんの数人でした。笛吹けど踊らずです。これはほんの一例で、お恥ずかしい話ですが、何をやってもこんな状況です。」このような内容でした。
3. 普通にやっていては伝わらない
本部と現場との温度差は、よく起こります。
理由は明解で、双方の立場と状況が違うからです。現場は本部のやることを「机上の空論」とか「楽なデスクワーク」のように思っています。「現場の状況も知らないで」というのが根底にあるのでしょう。
温度差を埋めるために出来ることは、なんといってもコミュニケーションと信頼です。まめに現場に顔を出したり、会議に参加するなど、日頃の努力が必要です。
本部というだけで、小さな壁を作られます。普通にしていては、上手くいかないのです。強い意識で現場とのコミュニケーションを取ろうとすることが大切です。また、時には現場に出向き、ヒアリングを重ね、問題解決の手伝いをするなどして信頼関係を築くことも必要でしょう。
4. いかに巻き込むか
またもうひとつ、温度差を作る要因の一つに、「当事者意識」があります。そのプロジェクトへの参加意識です。
例えばサッカーチームでは、レギュラーと補欠の間には、それこそ大きな温度差が生まれます。小学生くらいだとその行動は顕著で、レギュラーの子供たちは練習以外の時間も上達しようとボールを追いかけますが、補欠の子供たちは家に帰ってゲームに興じます。
前述の勉強会について言えば、本部からの一方的な通達ではなく、現場主催ということで持ち回りの勉強会という方法もあるでしょう。また、事前に現場のリーダーと相談して進めていくことも必要だったのかも知れません。
本部が現場に働きかける時は、「いかに巻き込むか」ということに注力すると良いでしょう。
5. 熱い気持ちに目を向けてみる
温度差についての話題が出るたびに思うのですが、温度差を嘆くのは、たいてい「熱い社員」です。まだまだ会社は冷えていないのです。熱い社員がいることをまず喜ぶ。嘆いている本人であれば、熱くなっている自分を喜ぶ。その上で、どうやって温度差を埋めていくかを考えると、それはまたそれで楽しい課題となるのかも知れません。
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