企業が求める人材の傾向【社員教育相談室】
- 「協調型」から「自主行動型」へ -
1. 企業が求める人材の傾向
企業が求める人材の傾向は昨今、大きく変化しています。これまでは協調型・歯車型の人材像を求める傾向が強くありましたが、これからは「自ら考え行動できる力」や「リーダーシップを発揮できる人材」といった、自主行動型・牽引型の人材像を求める傾向が強くなっています。
これは、長期にわたり低迷する経済状況やIT技術の進歩による社会構造の変化を受けて、今まで以上に社員一人一人の戦力化が求められていることが伺えます。
企業の人材育成に関する意識の調査を実施したのは、独立行政法人労働政策研究・研修機構(以後 労働政策機構)です。「入職初期のキャリア形成と世代間コミュニケーションに関する調査」(回答3,392社)というタイトルで、企業の求める人材の傾向や、世代別における資質の印象やコミュニケーションの課題など、興味深い調査です。
2. 企業の人材像における価値基準の変化
企業がこれまで重視してきた人材
「職場でチームワークを尊重することのできる人材」(76.2%)
「指示を正確に理解し行動できる人材」(62.6%)
「担当する職務の基礎となる技能や知識を十分身につけた人材」(58.8%)
企業が今後、重視する人材
「指示されたことだけでなく、自ら考え行動することのできる人材」(78.0%)
「リーダーシップを持ち、担当部署等を引っ張っていける人材」(68.2%)
「部下の指導や後継者の育成ができる人材」(67.2%)
「今後」と「これまで」を比較した人材に対する意識の推移
「指示を正確に理解し行動できる人材」(-21.7↓)
「職場でチームワークを尊重できる人材」(-17.9↓)
「事業戦略、展開を考えることができる人材」(+39.3↑)
「自社にない新しい発想を持った人材」(+35.1↑)
「部下の指導や後継者の育成ができる人材」(+23.7↑)
「リーダーシップを持ち、担当部署を引っ張っていける人材」(+22.1↑)
これらの結果から、今までの企業は歯車のひとつとして、企業の決めた戦略を忠実に遂行していく人材に価値を求めていましたが、これからは、新しいサービスや製品の開発など、企業戦略の一端を担ってくれる人材を求めていることが伺えます。
景気低迷と時代の変化により、企業は常に進化しつづけなければ生き残れない時代です。求める人材像は今まで以上に能力と推進力が求められますが、その一方で若年層における企業の求める理想像と現実が大きな乖離を見せていることも今後の課題です。
同時に当社に対する人材育成の要望も「自ら考え行動する社員」の育成ニーズが増えていることも事実です。
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