年上の部下【社員教育相談室】
- 意識を傾けると更に深くなる問題もある -
1. 年上の部下
管理職研修の休憩時間、受講生からの相談で多いのが、「年上の部下」に対する悩みです。昔は年功序列で、年上の部下は少なくレアケースでしたが、最近は当り前のようにどこの部門でも見られます。しかし、数が増えたからと言って難しさが減少した訳ではありません。序列の逆転というのは、いつの時代も摩擦を生みます。
年上の部下が人生の先輩らしく、若手管理職に対し協力的である場合は問題ありません。このような年上の部下は、本来はとっくに管理職になっているべきでしょう。アンラッキーな上司の下にいたか、社内の権力抗争に負けてしまったのかも知れません。
2. 疲弊するのは若手管理職
多くの場合、年上の部下は若手管理職に対し非協力的です。理由は単純、おもしろくないからです。年下の部下に先に出世されて、指示を受けるなんてプライドが許しません。年上の上司がいるであろうと覚悟して入社してきた中途入社の社員でさえ、やはりおもしろくないのです。中にはあからさまに「あなたを上司として認めませんよ」という態度や言動を発する人もいます。
これはもう集団で生きるという本能に根ざした人間ですから、どうしようもないのです。
そこで疲弊してしまうのが若手管理職の方です。彼らは本来、能力が高く真面目です。人の心にも敏感です。だから若くしてリーダーになったのです。そして夜も布団に入りながら部下のことを考えます。年上のBさんのことを考えると胃がチクチク痛むようになります。
3. 年上の部下にはどう接したら良いか
さて、ではどうすれば良いのでしょう。ひとつは、気にしないことです。あなたが若手管理職で、「そうそう」と言いながらこの文章を読んでいるとするなら、年上の部下のことを気にするのはやめましょう。人間には相手の考えていることが伝わります。あなたが年上の部下のことを考えれば考えるほど、相手もあなたのことを意識するでしょう。
年上の部下が、自分より若い上司のことを一番意識するのは部下になった日です。その日はやけ酒を飲んで愚痴を言うかもしれません。しかし、月日は偉大です。1ヶ月もすると、その環境に慣れるのです。ですから過剰に意識する必要はありません。摩擦は当り前くらいにドンと構えていればいいのです。
ただ、ひとつだけ注意するべきことがあります。それは、言葉遣いです。部下と言っても人生の先輩であることには違いありません。人間関係の基本である礼儀を守り、丁寧な口調で接することは忘れてはいけません。本来は年上、部下に限ったことではなく、会社では丁寧な口調で接した方が良いでしょう。
また、年上の部下が気になる場合は、意識して声をかける回数を多くした方が良いでしょう。「やりずらい」「扱いにくい」と思った段階で、自然と声をかける回数が減少します。人間ですから、苦手な相手とは避けて通りたいものです。そこで年上の部下に疎外感を与えてしまうことも少なくありません。
言葉遣いを丁寧に、過剰に意識せずに、大局を見てリーダーシップを磨いてください。
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